
「横須賀アートウィーク」という試みを始めたのは、三方を海に囲まれた自然の豊かさを持ち合わせた三浦半島の真ん中に位置し、戦前戦後を通じ、文化の入り口でもあった横須賀から、再び、新たな眼差しで、これからの自分たちの生活やその環境のあり方などを見直す可能性を提示してみたいと考えたからです。
「横須賀アートウィーク」は2008年よりスタートし今年で4度目の開催になります。三浦半島にゆかりのあるアーティストによって一週間ずつリレー方式で展示を行います。
この展示では、自分たちの生まれ育った場所や生活している地域を、もう一度、積極的に見直す試みをしたいと思っています。それは他所であっても、故郷を見つめ直し、文化や歴史を自分たちなりに感じ取ることができたら、自分たちの暮らす場所に対してより多くの愛着を感じることができて、そこから新たに作り出していけるものがあるはずだと思うからです。
年々、目まぐるしい勢いで環境も自然も変化していきます。数年後には、現在と違った景色になり、文化、行事といったものも減少しているかもしれません。それは、三浦半島だけではなくて、その他の地域でも同時に起こっていることです。
そんな時代に、自分たちが、絵を描き、写真を撮るなど、それぞれに表現していくことで、新たな発見や興味を覚え、根底に流れる個々の郷土の記憶をもう一度蘇らせることが可能になり、やがては、それが自然や文化の伝承にも繋がっていくのではないかと思います。
また、普段の生活の中にもたくさん芸術が潜んでいるということを知っていただける機会になると思っています。「横須賀アートウィーク」に参加するアーティストは、身近な芸術というものを常に意識し、生活の一部としての芸術や文化意識というものが、ようやく本当の意味で必要な時代になってきたと感じているからです。作品が表現するものが、観るひとの日々の暮らしの中にも、自分なりの芸術を作り出すきっかけになれば幸いです。